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筑波のベンチャーや研究室(VRメイン)を紹介します

【筑波VRベンチャー】VRに触覚を「株式会社 ミライセンス」

VRに触覚をもたらす技術「3D触力覚技術」を世に押し出す「株式会社ミライセンス」について紹介します

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視覚や聴覚に関してVRの技術は非常に発展し、2016年、VR元年と呼ばれるほどになった。

VRをよりリアルなものとして感じられるようになるために、次に必要なことは「触覚」だろう。

そこで注目されているのが、ミライセンスが事業化を進める「3D触力覚技術(3DHptics Technology)」である。

 

ミライセンスとは?

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株式会社ミライセンスは、2014年4月、産総研(国立研究開発法人産業技術研究所)つくばセンター産総研技術移転ベンチャーとして設立された。

本社は茨城県つくば市産総研つくばセンター内にある。

社員数は8名。

物の手触り、重さ、抵抗感を再現する「3D触力覚技術」を用いるサービス、デバイスの開発などを行っている。

2015年CEATEC AWORD(審査員特別賞)、2016年JEITAベンチャー賞を受賞。

2015年10月に、大手ベンチャーキャピタル、株式会社ジャフコより約3億円の投資を受けた。

 

 そもそも3D触力覚技術とは?

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3D触力覚技術は、ミライセンスの中村則雄ファウンダー・CTOが産総研産業技術総合研究所)時代に開発した「錯触力覚技術」をベースに、工学と脳科学を統合して開発された特許技術だ。

バイスから発せられる、振動、電気、超音波からなる特殊な波形によって、体験者にあたかも物体を触ったように錯覚させる。

ミライセンスは、色の三原色のように、体感について三原触という考えを持っている。

香田夏雄コファウンダー・代表取締役は、

「引っ張られたり押される感じの『力覚』、硬さや柔らかさを感じる『圧覚』、ザラザラ・つるつるなど表面を触ったときに感じる『触覚』の3つの感覚を、ブレンドしたり割合を調節して組み合わせたりすることによって人間が感じるあらゆる感触を表現できる技術です。この3つの感覚を同時に1つのデバイスで再現できるのが僕たちの強みです。」

と語っている。

 

人物紹介

香田夏雄:

株式会社ミライセンス コファウウンダー・代表取締役

デジタルハリウッド大学大学院 専任教授

1968年生まれ。

東京都出身。

1993年に筑波大学第三学群情報学類(情報科学専攻)卒業。

同年、ソニー木原研究所に入社し、3DCG技術、VR技術の研究開発に従事する。

退職後は、株式会社ヒュージスケールリアリティ、株式会社インテグラルヴィジョンの代表取締役を務めた。

 

中村則雄:

株式会社ミライセンス ファウンダー・最高技術顧問

人間情報研究部門 人間環境インタラクション研究グループ主任研究員

工学博士

1964年生まれ。

千葉県出身。

1994年に筑波大学大学院博士課程を修了。

1995年、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に入所し、人間工学・医療福祉分野での研究開発に従事する。

産業技術総合研究所ヒューマンライフテクノロジー研究部門を経て、人間情報研究部門人間環境インタラクション研究グループ主任研究員にもなっている。

 

「M-ORB」によってゲームはよりリアルなものに

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ミライセンスはBluetooth対応の体感フィードバックコントローラー「M-ORB」を開発している。

片手持ちのグリップスタイルで、十字キーの部分が振動する。

十字キーは、押し込むことでボタンとしての機能も果たす。

例えば、カーレースのゲームをするなら、エンジンの振動、加速や減速、カーブの時にかかる負荷などを体感できる。

M-ROBによってVRゲームはよりリアルになり、没入感が増すことだろう。

 

価格は一般的なコントーローラー並、発売時期は年内が目標らしい。

 

応用先は無限大

例えば、

  • タッチパネルに用いて、確実に押したという感覚が得る
  • 手術ロボットに用いて、ロボットの感覚を感じる

 といったことができる。

先端医療、社会福祉、車載、ウェアラブル、携帯、ホーム、IoT、ビッグデータバーチャルリアリティ、エンタテイメントなど、幅広い分野での利用が可能だ。

香田氏は応用分野について、「応用先は無限大」と語っている。

http://www.miraisens.com/img/tech05.png

 

 

 

 

筆者紹介:

筑波大学情報学群情報科学類に所属している杉本大輝といいます。

つくばのスタートアップや研究について紹介していきます。

 

<参照>

【筑波VR研究】世界最大のVRシステム「Large Space」を備えたエンパワースタジオ

ーエンパワースタジオー

http://www.emp.tsukuba.ac.jp/environment/img/pc/img_empowermnetstudio01.jpg

テレビで取り上げられたり、一般公開されてたりしたことから、筑波でVRというとここが有名なのかもしれない。

エンパワースタジオは、エンパワーメント情報学の主要施設である。

エンパワーメント情報学とは、「人の機能を補完し、人とともに協調し、人の機能を拡張する情報学」である。

これからの人類社会にとって、安全性、利便性、心の豊かさの向上といった様々な観点から、人の生活の質を向上させる工学システムを創出できる人材の育成を目標としている。

 

ーLarge Spaceー

エンパワースタジオの目玉といえば、世界最大のVRシステム「Large Space」だろう。

25×15×7.8mといった非常に広い空間を持ち、全周壁面、床面に立体映像を投影するLarge Spaceは、最近のVRの主流であるヘッドマウントディスプレイとは対照的かもしれない。

立体映像は、液晶シャッター方式を採用しており、12台のデジタルプロジェクターによって投影される。

体験者は、映画館で配布されるような3Dメガネをつけてこれを見る。

ここには20台のモーションキャプチャカメラが設置してあり、取得した映像をリアルタイムに反映することができる。

 

これほど広大な空間でVRを体験するといった機会もそうは無いだろうが、ここでは加えて、飛行する感覚を体験できる。

7本のワイヤーを用いて、人を自由に飛行させることのできるワイヤー駆動モーションベースが設置されている。

このモーションベースの可動域は18×9×7.8mで、秒速2m程の飛行が可能。

www.youtube.com

 

ーGrand Galleryー

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多機能展示空間Grand Galleryにはなかなかユニークなものが展示されている。

全長5mの巨大ロボット「Big Robot Mk1」だ。

これは、人間が5メートルの巨人になったとしたら、どのような身体感覚を獲得するのかという問いに基づいて制作された「人間拡張」ロボットである。

体験者が台の上で歩行をすると、それに合わせてロボットが前進する。

体験者の足には、実際に地面を踏んでいるかのような振動が与えられる。

 

 

ショールーム型実験室ー

http://www.emp.tsukuba.ac.jp/environment/img/pc/img_TT+RD01.jpg

以前ブログで紹介した、トーラストレッドミルやロボットタイルなどが展示されている。

 

www.youtube.com

 

 

筆者紹介:

筑波大学情報学群情報科学類に所属している杉本大輝といいます。

つくばのスタートアップや研究について紹介していきます。

 

 

<参照>

【筑波VR研究】視覚的錯覚を使ったナビゲーションシステム

「魔法の世紀」の著者であり、最近はテレビ等のメディアにも良く出演されている、現代の魔法使い、落合陽一率いるデジタルネイチャーグループの研究に、VRを用いた面白い技術があったので紹介する。

 

youtu.be

動画を見て奇妙な感覚になった人もいるだろう。

 

A、Bとかかれた2枚のパネルがある。

Oculus Riftを装着した被験者は、「Aの方に行ってください」と指示される。

被験者は、言われた通りAのパネルに向かって歩いて行く。

さて、Aのパネルの前に到着し、いざヘッドマウントディスプレイを外してみると...

 

そこにはなぜかBのパネルが!?

 

被験者からすれば確かに、「WHY?」ですよね笑。

 

被験者本人はAのパネルに向かって進んでいるつもりなのだが、端からみるとBに向かって進んでいる。

なぜこんなことが起こるのか?

 

ー視覚的錯覚を用いた無意識での誘導ー

デジタルネイチャーグループのウェブサイトには

【本システムはユーザに対して視覚的錯覚を引き起こすような画像処理を行い,そしてそれをフィードバックすることによりユーザの歩行方向を無意識的にコントロールする.】

とある。

 

カメラとヘッドマウントディスプレイを用いて、被験者にリアルタイムで現実の映像を見せる。

しかし、それは加工された映像で、被験者はBのパネルに進みながら、あたかもAのパネルに進んでいるように錯覚するのだ。

 

ー視覚的錯覚を用いたナビゲーションシステムー

これまでのナビゲーションシステムは、「右に曲がってください。」といった具合の音声案内や、マップ上に示された矢印によるものだった。

この技術だと、マップと自分の位置をうまく照らし合わせられない人には負担になってしまう。

細々した道路で、ナビを見ていたが、曲がる道を一つ間違えてしまったなんて経験はだれにでもあるかもしれない。

しかし、VRを用いたナビゲーションが確立されれば、何も考えずに目的地に到着できるようになる。

ただ歩いていたらいつの間にか到着していた、といった具合に。

 

いちいちナビを確認しなくても目的地にいけるのは便利でいいですね。

 

 

 

 

筆者紹介:

筑波大学情報学群情報科学類に所属している杉本大輝といいます。

つくばのスタートアップや研究について紹介していきます。

 

 

<参照>

【筑波VR研究】現実でのスペース確保をどうするか⓶

【筑波VR研究】現実でのスペース確保をどうするか⓵ - daikisugimoto’s diary

に引き続き、VR lab.のロコモーションインターフェイス(歩行感覚提示装置)を紹介する。

 

ーPowered Shoesー

http://intron.kz.tsukuba.ac.jp/poweredshoes/poweredshoes2.jpgこれはローラースケートに、モーターを繋いだもの。

バックパックに2つのモーターが装備されており、システム全体がウェアラブルになっのが特徴。

足の動きは光センサーによって測定される、測定された向きと逆向きにモータが駆動する。

歩行者の位置は、ローラースケートのコンピュータ制御によって固定される。

<動画>

 

ーGaitMasterー

http://intron.kz.tsukuba.ac.jp/gaitmaster/gaitmaster.jpg

これまで紹介したものはどれも平面を歩くというものだったが、これは階段の上り下りといった動作を再現できる。

使用者は、2つのモーションベースの上にあるトッププレートに立って歩行する。

モーションベースが使用者の歩行に合わせて動き、ターンテーブルが方向転換に合わせて回転することで、無限の凹凸面を歩行できる。

<動画>

 

ーまとめー

設置スペースや騒音、使用者の転倒の危険などから現状すぐに商品化されそうなロコモーションインタフェースはなさそうだ。

VRの普及にこの技術は必要不可欠なもののように感じる。

いずれ誰もがVRの世界を自由に歩き回れるようになることを願っている。

 

 

筆者紹介:

筑波大学情報学群情報科学類に所属している杉本大輝といいます。

つくばのスタートアップや研究について紹介していきます。

 

 

ー参照ー

 

【筑波VR研究】現実でのスペース確保をどうするか⓵

2016年、VR元年と呼ばれる今年、Oculus社によってバーチャルイアリティ向けヘッドマウントディスプレイ「Rift」が発売された。また、SONYは「PlayStation VR」を10月に発売開始すると発表し、VR業界は大きな盛り上がりを見せている。

 

今後も発展していくであろうVR業界だが、VR技術には現状いくつか問題がある。

厄介な問題の一つとして、現実でのスペース確保をどうするか、ということが挙げられる。

例えば、VRの世界で人間を歩かせるとして、コントローラーで操作するのと、プレーヤーが歩き、それを反映させるのとで、どちらがより没入感を得られるかは言うまでもない。

しかし、室内には歩き回るようなスペースは無いし、かといってヘッドマウントディスプレイを装着したまま外を歩くのは危険だ。

 

では、どうするか?

 

ーロコモーションインタフェイスという技術

筑波大学VR lab.という研究室が、ロコモーションインタフェイス(歩行感覚提示装置)というものの研究をしているので紹介する。 

 

 ーCirculaFloor / Robot Tileー 

http://intron.kz.tsukuba.ac.jp/CirculaFloor/Circul1.jpg

これは4つのロボットタイルが人間の歩行に合わせて動くというもの。

人間が前に進もうとすれば、(人が乗っている)タイルは後ろに進む。人が乗っていないタイルは次の一歩が置かれる場所に移動する。

これならばロボットタイルが移動するスペースさえ確保できれば、歩き続けることができる。

 

ーTorusTreadmillー 

http://intron.kz.tsukuba.ac.jp/torustreadmill/t_treadmill.jpg

このランニングマシンのような装置はトレッドミルと呼ばれる。

それを14個リング状に連結し、トレッドミルそれ自身と、連結したリング全体が回転することで歩行した分の移動を打ち消してくれる。

<動画>

 

 

ーStringWalkerー

http://intron.kz.tsukuba.ac.jp/stringwalker/string_walker1.jpg個人的にはこれがかなり面白いと感じた。

歩きつつもその場を動かないとなると、ランニングマシンのようなものを思い浮かべるのが普通であろう。

だが、この装置は糸を使う。

各靴に4本の糸がついており、ターンテーブル上のモーターが糸の巻き取りを調整して、人が常に中央にいる状態にする。

<動画>

 

<参照>